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Ji, Y.-Y.*; 越智 康太郎; Hong, S. B.*; 中間 茂雄; 眞田 幸尚; 三上 智
Health Physics, 121(6), p.613 - 620, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)原子力機構(JAEA)と韓国原子力研究所(KAERI)との間に締結された放射線防護や環境放射線測定に関する共同研究に基づき、福島第一原子力発電所周辺の放射性セシウム沈着量を評価するための合同測定が実施された。まず初めに、バックパック測定プラットフォームを用いた可搬型線スペクトロメトリーが3つの地点で実施された。車両測定は、各バックパック測定地点間を移動する際に、車内に線スペクトロメーターを搭載することで実施した。車体による放射線の遮蔽の影響を加味した上で、評価手法の妥当性が検証された。
富田 純平; 阿部 琢也
JAEA-Research 2016-026, 12 Pages, 2017/03
本研究では、現地において大容量の淡水試料( 170L)からRa同位体を回収する前処理法と実験室における単純な共沈法を組み合わせた線スペクトロメトリーによる淡水試料中の低濃度Ra同位体分析法を開発した。運搬する試料量を減容するための現地における前処理法として、Powdex樹脂によるバッチ法を検討し、Ra同位体の回収に必要な樹脂量は、水試料の電気伝導度から評価可能であることを明らかにした。また、Ra同位体を硫酸バリウム共沈法により回収することで、バックグラウンドを上昇させるKを96%以上除去できた。既知量のRa同位体を含む電気伝導度が異なる170Lの淡水模擬試料を本手法により分析し、分析法の妥当性を確認した。この時のRaの回収率は、平均98%、Ra及びRaの検出限界値は、それぞれ約0.3及び0.5mBq Lであった。
米澤 仲四郎; 松江 秀明; 湯川 雅枝*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.105 - 109, 2003/01
被引用回数:5 パーセンタイル:36.81(Chemistry, Analytical)放射線防護,栄養学及び生物の代謝研究等において重要な、微量ヨウ素を正確に分析するため、熱外中性子放射化とコンプトンサプレッション線スペクトロメトリーによる非破壊定量法の検討を行った。分析は、試料をJRR-4の気送管照射設備で熱外中性子照射し、直ちにGe-BGO検出器を使用したコンプトンサプレッション型線スペクトロメーターによって線を測定する方法によって行った。熱外中性子照射により、微量ヨウ素の定量に妨害するClとNaの生成量とそのコンプトンバックグラウンド計数値が大幅に抑制され、ヨウ素の検出限界は通常の熱中性子放射化と線測定では2600ppbであるのに対し、熱外中性子放射化により450ppb、さらにコンプトンサプレッション測定により14ppbまで改善することができた。確立した分析法により、甲状腺,食事試料,ミルク粉末,牛の筋肉等の各種生体試料中の数十ppb以上のヨウ素を定量した。
熊田 政弘; 小田 哲三; 宮本 ユタカ; 打越 貴子*; 中原 嘉則; 山本 洋一; 伯耆田 貴憲; 広田 直樹*; 井上 洋司; 篠原 伸夫
第23回核物質管理学会日本支部年次大会論文集, p.39 - 44, 2002/12
CTBT検証体制では、大気中,水中、及び地中における核爆発の有無を監視するため、世界中に321カ所の観測所を設け、国際監視網を構築することとしている。監視網では、地震,微気圧変動,水中音響及び放射性核種の4つの監視技術が用いられる。このうち、放射性核種監視観測所は世界中に80カ所設けられ、大気粒子をフィルター上に捕集して試料の線計測を行う。観測所は、一定の技術基準を満たすことによりCTBT機関により認証を受けた後、機関との契約に基づいて、観測網の一部を担うことになっている。また、80カ所の観測所のうち、半数の40カ所には大気放射性希ガス自動計測装置が設置される。原研では、日本に設置される2つの放射性核種監視観測所(群馬県高崎市,沖縄県国頭郡)の設置を進めており、本発表では、観測所設置の現状、及び放射性核種監視観測所の性能等について報告する。
柳瀬 信之; 磯部 博志*; 佐藤 努*; 眞田 幸尚*; 松永 武; 天野 光
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 252(2), p.233 - 239, 2002/05
被引用回数:6 パーセンタイル:39.54(Chemistry, Analytical)チェルノブイル事故炉の周辺土壌中に多く含まれるホットパーティクル(HP)の特徴を研究した。用いた手法は、トラック法,線スペクトロメトリー,選択的抽出法,電子顕微鏡分析である。事故炉周辺には約11年経過した時点においても、燃料起源のUO形のHPが存在しており、HPが占める放射能の割合が10~20%であることがわかった。選択的抽出法の結果、土壌中Uのかなりの部分が有機物相及びHP成分に含まれていることがわかった。しかし、湖畔のような湿潤な環境では、吸着成分が多くなっていた。チェルノブイルのような事故の場合、放射性核種の長期の移行挙動を予測するには、HPの変質・溶解の速度及び機構を明らかにすることが重要である。
渡邊 鐶*; 吉田 真; 大井 義弘; 滝 光成; 間辺 巖
Radioisotopes, 48(11), p.32 - 36, 1999/11
原子力施設においては、放射性物質のモニタリングのために、ゲルマニウム検出器を用いた線スペクトロメトリがよく行われている。検出器にカスケードに放出される線が同時に検出されると、コインシデンス・サムピークと呼ばれる擬似ピークがパルス波高分布中に観測される。コインシデンス・サム効果の補正に関して幾つかの報告があるが、そのほとんどはルーチン測定に適用することが困難である。この補正を容易に行うために、著者らによって与えられたピーク・トータル比の実験式を用いる方法を提案する。本方法によって補正された全吸収ピークの強度は、全計数効率を用いて補正された値とよく一致した。
宮本 ユタカ; 小田 哲三; 野口 宏; 西村 秀夫
第19回核物質管理学会(INMM)日本支部年次大会報文集, p.129 - 133, 1998/00
包括的核実験禁止条約(CTBT)を検証するための手段として国際監視システムの整備が進められている。その一環として大気中の放射性粒子や放射性希ガスをモニタリングする観測所やその試料中の放射性核種の精密測定を行うための公認実験施設が必要とされている。CTBTの放射性核種モニタリングシステムの概要を述べるとともに高崎監視観測所(原研高崎研究所内)と公認実験施設(原研東海研究所内)で予定している測定・分析技術及び将来計画等を紹介する。
塚田 和明; 西中 一朗; 篠原 伸夫; 市川 進一; 永目 諭一郎; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 大槻 勤*; 谷川 勝至*
European Physical Journal A, 2(2), p.153 - 155, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:17.12(Physics, Nuclear)ThおよびPuの15MeV陽子誘起核分裂において質量数88~159の分裂片の角度分布を放射化学的手法で求めた。両反応系において分裂する際の質量分割比が1:2という極端な非対称質量分割領域と質量数140程度の典型的な非対称質量分割領域に違いはなく、核分裂過程において同じ鞍点を経由すると考えられる。Th+p核分裂において対称分割生成物の角度異方性が非対称分割生成物の値より明らかに小さく、質量数130の領域はその中間値を示した。これら異なった角度異方性は2種類の鞍点の存在を示唆し、中間値は両成分の混合によるという仮定で説明できる。Pu+p系では対称分割生成物は観測できないが質量数130程度ではTh+p系と同じ傾向が見られた。このように角度異方性は対称および非対称分割で得られるような2つの質量分割モードの存在で説明できる。
塚田 和明; 篠原 伸夫; 西中 一朗; 市川 進一; 永目 諭一郎; 末木 啓介*; 小林 貴之*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; 大槻 勤*
Radiochimica Acta, 76(4), p.173 - 180, 1997/00
ThおよびPuの陽子誘起核分裂によって生成する希土類元素領域の励起関数と質量分布を入射エネルギー9~16MeVの範囲で測定した。対象とした領域は主に核分裂の際の分裂比が1:2程度までで半減期10分以上の核種であり、全核分裂片から自動制御されたイオン交換分離装置で迅速に分離し定量にした。Puの実験系では測定できたどの質量領域においても同様な励起関数が得られたが、Thの実験系においては典型的な非対称質量分割で生成する領域(質量数140程度)と高い非対称質量分割で生成する領域(質量数150以上)で異なる傾向を持つ励起関数が得られた。Thの実験系におけるこの高い非対称性をもった領域は、中性子数50の閉殻が関与すると考えられる軽い分裂片の対になる領域であり、この励起関数にこのような閉殻の影響が反映されたと考えられる。
岡崎 修二
Radioisotopes, 45(10), p.63 - 64, 1996/00
臨界実験装置の出力校正は、装置の安全運転にとって重要な試験のひとつである。溶液燃料を使用するSTACY及びTRACYでは、使用済燃料の破壊法による燃焼率測定と同様な手法を適用し、実際に炉心内で起きた核分裂数を測定することにより出力校正を行った。核分裂により生成するBa、Ce及びRuを核分裂モニターとして利用し、試験後数日で5%以内の測定精度で出力評価ができた。
柳瀬 信之; 関根 敬一
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.1235 - 1242, 1995/00
地層中における超ウラン元素の長期の移行挙動を類推する1つの方法として、ウラン系列核種を用いたナチュラルアナログ研究がある。その際、基礎的なデータとして地層中の岩石や地下水中のウラン系列核種の分布を知る必要がある。そのためには迅速で簡便な測定方法が必要である。そこで、複雑で時間のかかる線スペクトロメトリーに代わり、より簡便な線スペクトロメトリーの有用性を検討した。その結果、UとThについては、それぞれ0.1及び1Bq/g以上の試料について充分適用可能であることが分かった。さらに、この方法で実際のクンガラ鉱床の試料を測定したところ、地表付近の岩石については、鉱床でウランの溶出が、また南東方向の地下水流付近でウランの蓄積が見い出された。
臼田 重和; 鈴木 敏夫; 河野 信昭; 梅澤 弘一
JAERI-M 90-030, 13 Pages, 1990/02
高純度Cmを調製し、その半減期を再測定した。測定は2比例計数管検出器による放射能測定、低ジオメトリーSi検出器による線スペクトロメトリー及び低エネルギー測定用純Geプレナー型検出器による(X)線スペクトロメトリーの独立した3種類の方法を用いて行った。最後は、Cmの半減期測定には今まで報告されたことのない方法である。これらの測定値の荷重平均として、161.410.28日を得た。この値は、前回の我々の測定値161.350.30日と一致するが、他の文献値より1%程度短い値である。
米澤 仲四郎; 東條 隆夫; 小森 卓二
分析化学, 35(8), p.782 - 785, 1986/00
JRR-3に設置した中性子捕獲線実験装置(NCGF)を用い、微量ホウ素の定量法を検討した。ホウ素の定量にはB(n,)Li反応で生じる励起状態のLiからの478keV即発線を用いた。ホウ素を正確に分析するため三種類の内部標準法の検討を行った。クロムおよびニッケル内部標準法により、耐熱合金標準試料中の10ppm以上のホウ素の定量をした。クロム内部標準法と比べニッケル内部標準法による分析値はやや高く、耐熱合金の分析にはクロム内部標準法が適している事がわかった。塩素内部標準法によりフライアッシュ標準試料中のホウ素を定量した。本法による分析値は同位体希釈質量分析法および他の研究者による熱中性子-即発線スペクトロメトリーによる分析値と良い一致を示した。
須崎 武則; 岡崎 修二; 岡下 宏; 小林 岩夫; 鈴木 敏夫; 河野 信昭; 大貫 守; 篠原 伸夫; 園部 保; 大野 秋男; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(1), p.53 - 72, 1986/00
被引用回数:9 パーセンタイル:70(Nuclear Science & Technology)JPDR-I使用済燃料集合体72体に対し、非破壊線スペクトロメトリ法を適用した。それらの集合体は東海再処理工場にて溶解された。溶解槽から採取した19バッチの試料について詳細な化学分析を行った。非破壊測定によるCsの放射能強度およびCs/Cs強度比から、それぞれ、燃焼度およびPu/U原子数比を求めた。その際、典型的な1体の集合体の燃料棒を用いた実験において確立された相関関係を利用した。非破壊測定と化学分析の結果の間には良い一致が得られた。一部の結果に見られたわずかな偏差は、集合体内の放射能強度の分布の相違に起因するものとして説明された。非破壊測定法により、Pu以外の超ウラン核種の量を推定する可能性についても議論した。
須崎 武則; 鶴田 晴通; 松浦 祥次郎
JAERI 1296, 55 Pages, 1985/07
JPDR全炉心の使用済燃料集合体について、再処理工場への輸送に先立ち、非破壊線スペクトロメトリを行った。」その結果を、出力分布、中性子スペクトルの空間変化、運転覆歴を考慮して解析した。この炉の1体の標準的な集合体に関して見出された較正曲線を利用して、非破壊測定によるCsの線強度分布およびCs/Csの線強度比分布から、それぞれ、集合体平均の燃焼度およびPu/U原子数比を求めた。これらの結果と燃焼計算結果は互に良く一致した。非破壊測定から推定した炉心内の全Pu蓄積量は再処理結果ときわめて良い一致を示した。
野口 正安; 佐藤 兼章*; 大橋 直之*; 樋口 英雄*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 84(2), p.431 - 440, 1984/00
被引用回数:4 パーセンタイル:45.52(Chemistry, Analytical)環境試料の線スペクトロメトリーでは一般に大量の試料が用いられる。そのさい自己吸収が問題になるが、試料の元素組成が不明のときは、その補正ができない。そこで、Ba線源を用いて81KeVおよび356KeVの線の減弱より光電効果とコンプトン散乱の断面積を求め、あらかじめ作られた経験式より減弱係数を決定する。なお、いろいろな試料(土壌、灰化物等)については化学分析によって元素組成を調べ、計算によってもその減弱係数を求めた。前者による値(減弱係数)と後者による値はよく一致しており、前者の方法は迅速性、精度など実用性の高いことが確認された。
馬場 宏; 八木 秀之
JAERI-M 8451, 36 Pages, 1979/09
Ge(Li)線スペクトロメトリによるプルトニウム同位体比決定法の有用性を調べる目的で、シミュレーションプログラムSIMPUGを開発した。このプログラムは2つの部分から構成される。第1部では、特に重要な8つのピーク軍のそれぞれについて、線核データを既知のものとして、与えられた同位体存在比の試料の与えるスペクトルを合成する。次に第2部では、既に開発済みの同位体比決定法に従って、逆にこの合成スペクトルを解析して各寄与核種の存在比を求め、最初に入力した相対存在量と比較する。このシミュレーションプログラムを用いて、解析精度に対する種々の因子、すなわち、検出器の分解能、試料の経年較化、核分裂生成物の混在量等の影響を調べた。
馬場 宏; 鈴木 敏夫; 中原 嘉則; 八木 秀之; 岡崎 修二
JAERI-M 8450, 44 Pages, 1979/09
Ge(Li)線スペクトロメトリによるプルトニウム試料の非破壊分析を試みた。枝状の金属プルトニウムを測定試料として、試料中に含まれるAmの強い低エネルギー放射線を鉛吸収板でカットした状態で線スペクトルを測定した。得られたスペクトルについて、200KeVから800KeV迄のエネルギー範囲を選び、質量数238から241迄のプルトニウム同位元素やAm等の核種の存在比を求めるのに適当な13ケのピーク群を設定した。各ピーク群は、その寄与する核種毎に既知の線核データを基に合成した基本スペクトルを用いて最小自棄フィットを行うことにより解析した。現解析法の信頼性をPuの純度や核分裂生成物の混合状態等との関連において論じる。
野口 正安
Radioisotopes, 28(10), p.58 - 67, 1979/00
環境試料の線スペクトロメトリーにおいては、標準線源として容積状のものが使われる。それら環境容積線源を用いるときの、ピーク効率の求め方,自己吸収の補正,サムコインシデンの補正および標準容積線源の作製法などについて述べた。
倉田 有司; 菊池 輝男; 井川 勝市; 岩本 多實
JAERI-M 7406, 14 Pages, 1977/11
燃料コンノバクト中のウラン量を線スペクトロメトリーを応用して非破壊的に求める実験を行なった。ウラン量は、Uの発する185KeV光電ピークの線放出率を計数用標準コンパクトと比較して求めた。この際、計数用標準コンパクトとしては、X線ラジオグラフイーおよび線スペクトロメトリーを利用して、燃料コンパクト中のウラン分布が均一なものを選んだ。燃料コンパクトには軸方向のウラン分布が不均一なものもあるため、コンパクトの側面にデテクターを置いて線を測定する方が端面から測定するよりも誤差が少ないことが判明した。また、この方法による測定精要は3レベルで3%より良好であると推定された。